■高次元の正多面体(その28)

[Q]v個の頂点(P1,・・・,Pv)をもつ正多面体が半径1の球に内接しているとき,Q=Σ(2,v)|P1Pj|^2=Σ(1,v)|P1Pj|^2の値を求めよ.

[A]内積をつかえば

  Q=(P1−P1)・(P1−P1)+(P2−P1)・(P2−P1)+・・・+(Pv−P1)・(Pv−P1)

 ベクトル解析では原点はどこでも好きなところに選ぶことができるから,(P1を原点とするのではなく)球の中心に原点をおくと,

  (Pj−P1)・(Pj−P1)=P1・P1−2P1・Pj+Pj・Pj

  Pj・Pj=1

より

  (Pj−P1)・(Pj−P1)=P1・P1−2P1・Pj+Pj・Pj=2−2P1・Pj

よって

  Q=2v−2P1・(P1+P2+・・・+Pv)

が得られる.

 正多面体の重心は原点にあるから,その対称性より,

  P1+P2+・・・+Pv=0,Q=2v

すべての辺と対角線の長さの平方和SSは,すべての頂点において同じ線分が2回ずつ数えられていることから

  SS=v/2×Q=v^2   (QED)

 なお、この議論は3次元のみならず,一般の次元についても成立するものであるから,すべての次元で単位球に内接する正多胞体(頂点数v)のすべての辺と対角線の長さの平方和はv^2で与えられることになる.

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