■アルキメデスと積分法(その39)
アルキメデスは
[1]円柱とそれに内接する球の体積比が3:2であること(単位球の体積は4π/3である)
[2]円柱とそれに内接する球の表面積が等しいこと(単位球面の面積は4πに等しい)
を発見した記念に,自分の墓の上に円柱の形をした記念碑をおくように遺言したといわれています.
次の定理はアルキメデスの結果の拡張で,18世紀のスイスの数学者ランベルトによるものです.
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【1】アルキメデス・ランベルトの円柱投影定理
地図はその目的によって,地球上の2点の正確な距離,形(面積),方向を保存するように工夫されているが,地球は丸いので,これらのどれかを保存することは他のものを犠牲にすることになる.
われわれが最も慣れ親しんでいる世界地図は,メルカトールの地図と呼ばれるものである.メルカトールの地図は等角写像,すなわち,任意の点から任意の他の点までの正しい方向(方位角)を示す地図であって,海図として航海のナビゲーション用に広く使用されている.
地図投影の中で,もっとも単純なのは円筒を使って平面にする円筒図法であろう.円筒投影では赤道で接触している円筒に対して,
[1]地球の中心から投影するもの
[2]無限遠点から投影するもの
で,円筒が開けられたとき平面地図が得られる.
[1]では緯線間隔は緯度とともに増加し,高緯度での歪みが大きくなる.[2]は北極点と南極点を結ぶz軸に垂直に投影するもので,ランベルト図法と呼ばれる.
メルカトール図法では,任意の点から任意の他の点までの正しい方向(方位角)を示すのに対し,ランベルト図法では面積が保存されるという特長がもたらされるのである.
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