■アルキメデスと積分法(その18)
アルキメデスは(積分法なしに)ひらめきによって,球の体積が球に接する円柱の体積の2/3になることを発見した.すなわち,
πr^2・2r・2/3=4πr^3/3
なお,球の表面積は,球に接する円柱の表面積と等しくなる.
2πr・2r=4πr^2
ここで,円柱の上下の面も考えれば,球の表面積は球に接する円柱の表面積=2/3になるといってもよい.
(4πr^2+2πr^2)・2/3=4πr^2
さすがのアルキメデスもこの関係の単純さには驚いたに違いない.
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【1】相貫円柱
断面の形が正方形の四角柱を中心軸が直交するように相貫させると,共通部分は立方体となる.2本のときでも3本のときでも立方体である.しかし,半径が等しい2つの円柱を中心軸が直交するように相貫させたとき,その共通部分がどのような形になるのか,頭の中で想像するのもなかなか難しい.
(Q)2本の円柱が直角に交わっているとき,共通部分の体積はいくらか.
(A)直角の交差する2本の円筒がテーブルの上に横にして置かれているとしよう.どちらの円筒にも球を入れることができるから,2本の共通部分は球より大きく,球を正八面体状に膨らましたものになる.
共通部分に球を入れたまま,テ−ブルに水平な平面で2本の円筒を切断すると,切り口は球に接する正方形になる.円とその外接正方形の面積比はπ:4であるから,カバリエリの原理により,球の体積の4/π倍であることがわかる.単位球であれば
4π/3×4/π=16/3
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アルキメデスは円柱の直径をdとするとその体積は
2/3d^3
になることを知っていたようである.
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