■18世紀における微積分(その56)
【2】基本原理
上の例では単位円x^2+y^2=1という2次曲線について,P0(−1,0)をとったが,さらにもう1歩掘り下げると次の事実(基本原理)がある.
[基本原理]2次曲線Γ上に定点P0を定める.Γ上の任意の点Pに半直線P0Pを対応させ(P0自身にはそこでの接線を対応させ),P0Pが正の実軸となす傾き(偏角の正接)をtとすると,Γを表す2次式の座標(x,y)はtの有理関数として表すことができる.
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【3】双曲線の場合
双曲線y=√(x^2+1)に対してはP0を(0,1)にとれは不定積分
∫(x^2+1)dx
は計算できるが,その計算はかなり複雑になる.それよりもP0が無限遠点二いったときの極限として,点Pを直線族x+y=tとの交点として表現すると以下のように簡単に計算できる.
x=(t−1/t)/2,y=(t+1/t)/2,
dx/dt=(t^2+1)/2t^2
∫(x^2+1)dx=∫(t^2+1)^2/4t^3dt
=∫{(t+1/t^3)/4+1/2t}dt
=(t^2−1/t^2)/8+1/2log|t|+C
=1/2{x√(x^2+1)+log(x+√(x^2+1))}+C
これはなぜ,t=√(x^2+1)ではなく,t=x+√(x^2+1)と変数変換すべきか,その根拠を説明している.
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