■18世紀における微積分(その40)
x^1/2+y^1/2=1
を移項して2乗すれば
(x−y)^2=2(x+y)−1
これは放物線を表します.
平面では放物線の一部でしたが,空間において
x^1/2+y^1/2+z^1/2=1
は2次曲面ではありません.さて,(その39)の続きです.
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ベータ関数を多変数化すると,ディリクレの積分公式
∫x1^(p1-1)・・・xm^(pm-1)(1−x1−・・・−xm)^(q-1)dx1・・・dxm
=Γ(p1)・・・Γ(pm)Γ(q)/Γ(p1+・・・+pm+q)
が得られます.
→[参]高木貞治「解析概論」岩波書店,p359
3次元空間において,天井が
x^1/p+y^1/p+z^1/p=1
なら,座標面と天井とで囲まれた立体の体積Vは
V=Γ^3(p+1)/Γ(3p+1)
となります.とくに,p=1ならV=1/3!=1/6,p=2ならV=8/6!=1/90となります.
n次元空間では,天井が
x1^1/2+x2^1/2+・・・+zn^1/2=1
なら,座標面と天井とで囲まれた立体の体積Vは
V=2^n/(2n)!
で計算できます.
ベータ関数を活用すると,たとえば,3次元空間において座標面と平面x+y+z=1とで囲まれた四面体Kを積分区域とすると
S=∫∫∫(K)x^(p-1)y^(q-1)z^(r-1)(1−x−y−z)^(s-1)dxdydz
=Γ(p)Γ(q)Γ(r)Γ(s)/Γ(p+q+r+s)
になるというわけです.
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