■18世紀における微積分(その19)
∫(a,b)f(x)dxに対する原始関数F(x)が見つかればまことに好都合であるが,私たちはあらゆる関数の原始関数を知っているわけではない.実際,これまでのところ不定積分が見つかっていない関数があり,それらはこれからも見つかるという希望はかなえられそうにない.
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阪本ひろむ氏に聞いた話であるが,「解析学大要」に
∫(-1,1) 1/Sqrt((1-2sx+s^2)(1-2tx +t^2) dx
を求めよというのがあったそうである.
一般に
1/Sqrt((a-x)(b-x))
の積分はできるのであるが,係数が複雑になる.
解析学大要には
(1/sqrt(st))log((1+sqrt(st))(1-sqrt(st)))
となっている.私にはなかなか解けないと思うが,きれいな解き方はないものか?
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このシリーズでは,不定積分で,解き方によって(見かけ上の)答えが違うものはたくさん出てきたが,検算をMarhematicaで行ったものもある.ひとつの関数の原始関数がたくさんあるという事実は,私たちには好都合で,不定積分が見つからなくてもその関数の底積分を求めることができるが,もはやHPのネタとしてはおもしろくないだろう.
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