■18世紀における微積分(その7)
[1]∫√(x^2+1)dx
[2]∫dx/(x^4+1)
が済んだので
[3]∫1/cosxdx
について考えてみたい.
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三角関数の有理関数の積分はt=tan(θ/2)とおくと有理関数の積分に帰着できることはほとんどの教科書に書かれていますが,うまくtanθ,cos^2θ,sin^2θだけの関数に書き表すことができる場合には,tanθ=tとおくことによって三角関数の有理関数の積分計算は格段と簡単になります.この場合,cos^2θ=1/(1+t^2),sin^2θ=t^2/(1+t^2)となりますから,tan(θ/2)=tとおいた場合に比べ,次数が約半分の有理関数になります.
しかし,この場合は被積分関数が1/cosθであるから,t=tan(θ/2)とおく.
すると
tan(θ/2)=sinθ/(1+cosθ)=(1−cosθ)/sinθ,
cosθ=(1−t^2)/(1+t^2),
sinθ=2t/(1+t^2),
dθ/dt=2/(1+t^2)
より,
∫1/cosxdx=∫2/(1−t^2)dt
ここで,
2/(1−t^2)=1/(1+t)+(1/1−t)
より
∫1/cosxdx=log|1+t|−log|1−t|+C
∫1/cosxdx=log|(1+t)/(1−t)|+C
∫1/cosxdx=log|tan(x/2+π/4)|+C
この積分の幾何学的考察についてはわからない. (佐藤郁郎)
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