■18世紀における微積分(その4)

 (その2)はなかなか含蓄のある内容であったが,一松先生の受け売りである.それを読んだ阪本ひろむ氏が積分の幾何学的考察に関する追加情報を寄せてくれた.

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【1】拝見.これに刺激されたわけではないが,解析学大要の問題を解いてみた.大学時代につかっていた「解析学大要」は,表紙がとれてこれ以上ひろげるとばらばらになる.

 そのなかから,中級レベルの問題

[1]√(x^2+a^2)

の積分の幾何学的考察と置換積分について,高木貞治「解析概論」,藤原松三郎「微分積分学」に,HPの内容を示唆するような記述がみられた.

本件に関連した問題

[2]sin x/(sin x + cos x)dxは?

[3]1/(x^4+1)dxは?

 なお,√(x^2+1)dxは,あらかじめ

∫1/√(x^2+1)dx

が求まっていれば,計算はしやすくなる.久々に鉛筆と紙で計算をしたが,昔の様に暗算が出来なくなり,結構時間がかかった.

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【2】阪本ひろむの失われたノート

 大学時代,「解析学大要」の最後の問題(アステロイドの表面積)以外はすべての問題を解いた.ノートを探してみたが,見つからなかった.

 実はこの私のノートのコピー,知らない間に大学内に出回り,3000円程度で取引されていたらしい.「バナッハとポーランド数学」は初版500部であるが,このコピーはもっと出回ったかもしれない.ノートのコピーは,私の知らない間に出回っていたので,印税が手にはいるわけはない.  (阪本ひろむ)

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