■ラマヌジャンのτとΔ(その7)

【1】オイラーの分割数

 ラマヌジャンはp(n)が満たす合同式について

  p(5n+4)=0  mod5

  p(7n+5)=0  mod7

  p(11n+6)=0  mod11

  p(599)=0  mod5^3

  p(721)=0  mod11^2

を予想し,それらを証明しています.

 さらに,

  d=5^a7^b11^c かつ 24n=1  (mod d)

ならば,

  p(n)=0  (mod d)

を予想していますが,n=243の場合,

  p(243)=133978259344888

は,24・243=1  (mod 343)であるにもかかわらず,d=7^3=343では割り切れない.(この予想は誤りであった.)

===================================

【2】ラマヌジャンの分割数

 一方,τ(n)はmod7,mod23,mod691と大変よい関係にあることがわかっている.

  τ(7n)=0  mod7

  τ(7n+3)=0  mod7

  τ(7n+5)=0  mod7

  τ(7n+6)=0  mod7

  τ(23n+k)=0  mod23  (kが23の平方非剰余のとき

  τ(n)=σ11(n)  mod691  (σ11(n)はnの約数の11乗の和)

 τ(n)のおよその大きさを決めるのは難しい問題であったが,ラマヌジャンは素数pに対して,

  |τ(n)|≦2p^11/2

が成り立つことを予想し,1973年,ドリーニュはこれが正しいことを証明した.

===================================