■5次方程式のエルミートの解法(その3)
【7】2元3次形式(ケイリー)
f=ax^3+3bx^2y+3cxy^2+dy^3 (係数についての次数1)
D=a^2d^2−6abcd+4ac^3+4b^3d−3b^2c^2 (判別式,次数4)
h=H/6^2 (Hはfのヘシアン,次数2)
j=J/3 (Jは(f,h)のヤコビアン,次数3)
これらの間の関係は,6次の多項式
j^2=f^2D−4h^3
で与えられる.
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2変数2次形式ax^2+bxy+cy^2は変数の線形変換によってa'x^2+b'xy+c'y^2に移されたとする
このとき,b'^2-4a'c'=δ^2(b^2-4ac)
であり、b^2-4acは2次形式の不変式と呼ばれる。
一般に不変式は係数によって表現されるが、共変式は係数と変数で表現される。
たとえば、2変数3次形式fのただひとつの不変式d,3つの共変式f,H,Jで表現される環は
一つの等式4H^2=df^2-J^2を満たす。
このdとHは
3次式が相異なる3つの根を持つ条件:d≠0
3次式が2重根とそれと異なる根を持つ条件:d=0,H≠0
3次式が3重根を持つ条件:d=0=H
など重要な意味を持っている。
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【8】正20面体方程式
正20面体の12枚の面の中心、20個の頂点、30個の辺の中点を複素平面上に写す
クラインはこの方程式を書き上げることに成功した。次数12の多項式
f(z1,z2)=z1z2(z1^10+11z1z2-z2^10)
無限遠点を表すために斉次座標を用いている。z=z1/z2
ヘシアンの次数は20である
H(f)=H(z1,z2)=-(z1^20+z2^20)+288(z1^15z2^5-z1^5z2^15)-494z1^10z2^10
また、この群の作用で不変な30次の斉次多項式
T(z1,z2)=(z1^30+z2^30)+522(z1^25z2^5-z1^5z2^25)-10005(z1^20z2^10+z1^10z2^20)
これら3つの斉次形式は
T^2+H^3-1728f^5=0
を満たす。クラインはz:z-1:1=H^3:-T^2:1728f^5とおいたうえで
q(z)=H(z1,z2)^3/1728f(z1,z2)^5=H(z,1)^3/1728f(z,1)^5
と書き表し、
u=q(z)
を正20面体方程式と呼んだ。
これはパラメータuに依拠する次数60の方程式である
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