■3次方程式のヴィエトの解法(その3)
3次方程式で3つの実数根を持つものは必ず三角関数によって解くことができる。
与えられたsin3tの値に対してsintが満たす3次方程式の形に変換できるのである。
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【2】3次方程式の解法(ヴィエトの方法)
ヴィエトは三角関数の3倍角公式を使って,カルダノの公式の弱点(還元できない場合)を克服しました.
x^3+px+q=0において,x=λuとおくと,λ^3u^3+λpu+q=0
p<0に注意しつつ,λ=2√(−p/3)とおくと,
4u^3−3u+q/2√(−p/3)^3=0
に変形される.ここで,ジラールの標準形f(x)=x^3+px+qでは,判別式は簡単な形で表されて,
D=−(4p^3+27q^2)、3つの実数根を持つための必要十分条件はD>0,このときp<0である。
したがって,
−1<q/2√(−p/3)^3<1
sin3θ=q/2√(−p/3)^3
を満たすθが存在することになる.
4sin^3θ−3sinθ+sin3θ=0
より,sinθ,sin(θ+2π/3),sin(2π/3−θ)が求める3根となる.
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さらに三角関数を複素数のベキ級数で定義して、sin(it)=isinhtを用いれば3次方程式がただ1つの実数根を持つ場合にも対応させられる
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