■代数的整数と最小拡大数体(その12)
√2は方程式x^2-2=0を満たす代数的整数である。
しかし、代数的整数の和と積がともに代数的整数であることは自明なことではない。
√3+√5+√7は代数的整数であるが、それが満たすような次数8の多項方程式を見つけるには結構な時間がかかる。
3√3+8√5+7√7+10√1221のモニック多項式を探すとなると、誰も取り掛かろうとはしないだろう。
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代数的数α=√3+√5を取り上げる。
(1)α^2=8+2√15→√15が現れる。
(2)α^3=3√3+9√5+15√3+5√5=18√3+14√5→新しい平方根は現れない
(3)α^4=64+32√15+6=124+32√15
(4)α^nを計算しても、1と3つの平方根√3、√5、√15のほかに新しい平方根は現れない。すなわち、α^nは1と3つの平方根√3、√5、√15の線形結合である
(5)以上のことにより、αは次数4の整数係数の多項方程式を満たす
α^2=8+2√15
α^2-8=2√15
α^4-16α^2+64=60
α^4-16α^2+4=0
あるいは
√15=(α^2-8)/2
α^4=124+32√15=124+32(α^2-8)/2=124+16(α^2-8)=124+16α^2-128
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α^3-18α=-4 √5
α^3-14α=4 √3
は使わなくてもよいのだろうか?
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代数的数β=√3+√5+√7=α+√7を取り上げる。
(1)β^2=α^2+α√7+7= 8+2√15+(√3+√5)√7+7→√15、√21、√35が現れる。
(2)β^3=α^3+3α^2√7+21α+7√7=18√3+14√5+3( 8+2√15)√7+21(√3+√5)+7√7→√105が現れる
(3)β^4=・・・
(4)β^nを計算しても、1と7つの平方根√3、√5、√15、√7、√21、√35、√105のほかに新しい平方根は現れない。すなわち、β^nは1と7つの平方根の線形結合である
(5)以上のことにより、βは次数8の整数係数の多項方程式を満たす
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α^n+a1α^n-1+・・・+an-1α+an=0、aiは整数
左辺は
一般に
b0+b1√3+b2√5+b3√7+b4√15+b5√21+b6√35+b7√105
の形になるが
b1=b2=b3=・・・=b70となるためには、次数8の整数係数の多項方程式であることが必要になる
次数7あるいは6の整数係数の多項方程式ではこれが満たされないのである
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