■5次方程式の解法と正20面体方程式(その5)

【7】2元3次形式(ケイリー)

  f=ax^3+3bx^2y+3cxy^2+dy^3   (係数についての次数1)

  D=a^2d^2−6abcd+4ac^3+4b^3d−3b^2c^2   (判別式,次数4)

h=H/6^2   (Hはfのヘシアン,次数2)

j=J/3    (Jは(f,h)のヤコビアン,次数3)

 これらの間の関係は,6次の多項式

  j^2=f^2D−4h^3

で与えられる.

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2変数2次形式ax^2+bxy+cy^2は変数の線形変換によってa'x^2+b'xy+c'y^2に移されたとする

このとき,b'^2-4a'c'=δ^2(b^2-4ac)

であり、b^2-4acは2次形式の不変式と呼ばれる。

一般に不変式は係数によって表現されるが、共変式は係数と変数で表現される。

たとえば、2変数3次形式fのただひとつの不変式d,3つの共変式f,H,Jで表現される環は

一つの等式4H^2=df^2-J^2を満たす。

このdとHは

3次式が相異なる3つの根を持つ条件:d≠0

3次式が2重根とそれと異なる根を持つ条件:d=0,H≠0

3次式が3重根を持つ条件:d=0=H

など重要な意味を持っている。

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