■クンマーの理想数(その5)

整数p、qによって、

 p+q√(-5)

の形で表される複素数全体をひとつの「整数の領域」と考える。

 6=2・3=(1+√(-5))・(1ー√(-5))

と表されるが、6はこれらの因数の±1倍以外に因数を持たない。

この領域における理想数は3と(1+√(-5))の最大公約因子となっている。

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2ー√(-5)は既約であるが、素ではない。

(2ー√(-5))・(2+√(-5))=9=3・3ではあるが、2ー√(-5)は3を割らない

(2ー√(-5))・(x+y√(-5))=3の解を考えると

(2x+5y)+(2y-x)√(-5)=3

2y=x、2x+5y=9y=3→x、yは整数ではないからである。

よって、9と3(2ー√(-5))は最大公約数を持たない

それらの公約数は1、3および(2ー√(-5))であるが、3と(2ー√(-5))はどちらも他方を割らないのである。

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