■an+b型素数(その34)
【1】2元2次形式
P=ax^2+2bxy+cy^2 (D=b^2−ac)
を線形変換
[x]=[α,β][x’]
[y]=[γ,δ][y’]
すると
P’=a’x’^2+2b’x’y’+c’y’^2 (D’=b’^2−a’c’)
D’=r^2D,r=αδ−βγ
となる.ここで,判別式Dは特別な仕方で変化する量(D’=r^2D)であって,もしr^2=1ならば変化しない不変式である.
x^2+y^2は4n+1型素数をすべて表現し,どの4n+3型素数も表現しない.2平方和定理は「4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在する」であるが,フェルマーはまた,
「pが8で割ると1または3余る素数ならば,p=x^2+2y^2」
「pが8で割ると1または7余る素数ならば,p=x^2−2y^2」
「pが3で割ると1余る素数ならば,p=x^2+3y^2」
となる自然数x,yが存在することを発見した.p=x^2+y^2,p=x^2+2y^2,p=x^2−2y^2,p=x^2+3y^2,・・・などの発見は,類体論の序曲をなすものといえる.
一般に
N=x^2±Dy^2
によって表現される数Nの約数pは,同一の判別式Dをもつ
p=ax^2+2bxy+cy^2 (D=b^2−ac)
によって表現されることから,x^2±Dy^2を主形式と呼ぶ.
[補]方程式x^2+y^2=nの整数解の個数は,nの4ν+1型の約数の個数と4ν+3型の約数の個数との差の4倍に等しい.方程式x^2+2y^2=nの整数解の個数は,nの8ν+1型または8ν+3型の約数の個数と8ν+5型または8ν+7型の約数の個数との差の2倍に等しい
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