■an+b型素数(その31)

【2】2元2次形式の簡約理論

 正定値2次形式

  f(x,y)=ax^2+bxy+cy^2  (d<0,a>0,c>0)

はaとcを交換する整数係数ユニモジュラー変換

  [x]=[0, 1][x’]

  [y] [−1,0][y’]

およびbをb±2aにかえる整数係数ユニモジュラー変換

  [x]=[1,±1][x’]

  [y] [0, 1][y’]

を有限回行うことによって,

  |b|≦a≦c

を満たす2次形式に簡約される.

 与えられた判別式dをもつ簡約2次形式は有限個しかない.−d=4ac−b^2≧3acであるから,a,c,|b|は|d|/3を越えることはないからである.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 2変数2次形式

  [a,h]

  [h,b]

がミンコフスキー簡約であるための条件は

  |2h|≦a≦b

 3変数2次形式

  [a,h,g]

  [h,b,f]

  [g,f,c]

がミンコフスキー簡約であるための条件は

  a≦b≦c

  |2h|≦a,|2g|≦a,|2g|≦b

  2|h±g±f|≦a+b

 次元が高くなるに従って条件不等式は爆発的に増える.その不等式を全部書き下すことができるのはせいぜい7次元くらいまでであるから,正定値2次形式に関する簡約理論がいかに見事かわかるだろう.

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