■ペル方程式とディオファントス近似(その25)
フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac+bd)^2+(ad−bc)^2
は簡単に確認できます.
また,この積は2通りの異なる方法で,2つの平方数の和として表すことができることを示しています.
たとえば,
50=5・10
5=1^2+2^2,10=1^2+3^2
より,
50=(1・1+2・3)^2+(1・3−2・1)^2=7^2+1^2
50=(1・1−2・3)^2+(1・3+2・1)^2=5^2+5^2
65=5・13
5=1^2+2^2,13=2^2+3^2
65=(1・2+2・3)^2+(1・3−2・2)^2=8^2+1^2
65=(1・2−2・3)^2+(1・3+2・2)^2=4^2+7^2
となります.
> a=bまたはc=dのときは,積はたった1通りの方法で2つの平方数の和になります.
10=2・5
2=1^2+1^2,5=1^2+2^2
10=(1・1+1・2)^2+(1・2−1・1)^2=3^2+1^2
10=(1・1−1・2)^2+(1・2+1・1)^2=1^2+3^2
また,ブラーマグプタの恒等式とは
(x1^2−Ny1^2)(x2^2−Ny2^2)=(x1x2+Ny1y2)^2−N(x1y2+x2y1)^2
これは
x^2−dy2=(x+y√d)(x−y√d)
から容易に確認できます.
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