■学会にて(京大数理解析研,その119)

 多くの人は,貝殻を拾い上げてその着色パターンに驚嘆した覚えがあろう.それぞれが独特の美しさをたたえているが,そのパターン形成の仕組みはわかっていない.セルオートマトンはそのひとつのモデルとなる.

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【1】磁化の相転移

 氷結・溶解・蒸発・結露・昇華など,相転移(phase transition)とは,あるシステムが(特定のパラメータが変化することで)ひとつの状態から別の状態に突然変化することをいう.超伝導化や磁化(臨界温度・キュリー点)の過程でも起こる.

たとえば,磁石では各分子がスピンをもっていて,外部から与えた方向に対して平行か,反平行かの2つの向きをもつことができる.2つの両極端の状態は連続的に変わるのではなく,ある臨界温度Tcを境にして,スピンのそろった状態(強磁性)からバラバラになった状態(反強磁性)に突然に移り変わるのである.これが磁性現象における相転移である.

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