■学会にて(京大数理解析研,その117)

研究会での発表の中から、浜田忠久先生(筑波大学)を取り上げたいのであるが、まずその準備として

 無理数の性質に関するワイルの一様分布定理を紹介する.

 ワイルの一様分布定理とは,無理数γを与えたとき,nγの非整数部分{nγ},n^2γの非整数部分{n^2γ}のn=1,2,3,・・・としたときの分布についての定理で,

[1]γが無理数であれば{nγ}は区間[0,1)において一様分布する

[2]γが無理数であれば{n^2γ}は区間[0,1)で一様分布する

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 xの小数部分x−[x]を{x}と書くことにすると,0≦{x}<1である.ここで{nα}=0,1,{α},{2α},・・・を考えると,これらの数はすべて区間[0,1]に属する.

無理数α=(0,1)をとり、un=[(n+1)α]-[nα],I0=[0,1-α),I1=[1-α,1)と定める

unがI0に属するならば0、I1に属するならば1を対応させることにより数列u1u2・・・が得られる。

この数列は01数列となる。このような数列をスツルム列(Sturmian sequence)という。

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