■ポール・エルデス・離散数学の魅力(その68)

【1】ベルトランの仮説とリーマン予想の間に何がある

 nと2nの間に素数がある(あるいはnが十分大きければnと1.5nの間に素数がある)は,リーマン予想=「nとn+k√nの間に素数はある」に較べればずいぶん粗い結果ですが,高度の数学を使わずにかなりの結果が導かれるという一例になっています.

ベルトランの仮説は、任意のnにおいて

  pn+1-pn<=pn

と書くことができますが、すべての十分に大きいnに対して

  pn+1-pn<=pn^(21/40)

が証明されています。

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 ところで,ルジャンドルの予想

  「n^2と(n+1)^2の間に常に素数が存在する」

は未解決問題として知られています.

もし、この上界が強化され、すべてのnに対して

  pn+1-pn<=2pn^(1/2)

とできるならば、ルジャンドルの予想はm^2より小さい最大の素数をpnとすると、

m^2<=pn<m^2+2m

逆に、ルジャンドルの予想は、すべてのnに対して

  pn+1-pn<=4pn^(1/2)+4

を示唆する。(m-1)^2<pn<m^2,pn+1<(m+1)^2から

  pn+1-pn<4m

が得られる。

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