■ポール・エルデス・離散数学の魅力(その45)
ハドヴィガーの名前がついた予想はいくつかある.
===================================
【1】ハドヴィガー予想(組み合わせ幾何学に関する)
[Q]ひとつの大きな図形を覆うのに,小さい相似形がいくつ必要か?
[A]大きな三角形を覆うには相似な小さい三角形が3枚必要.大きな四角形を覆うには相似な小さい四角形が4枚必要.
そこで,図形の被覆に関するハドヴィガー予想:
n次元図形の場合,必要な枚数は最大でも2n以内におさまる.
すなわち,正方形では4枚必要だが,立方体では小さな立方体が6個必要になるというもの.2次元の場合は証明されているが,3次元以上ではそれだけでは覆いきれない奇妙な図形が存在する可能性が残っているため,まだ証明されていない.
===================================
【2】立方体を小立方体に分割する
立方体を47個の小立方体に分割することはできない.47より大きければ立方体を必ずその数の小立方体に分割することができるから,47はそのような性質をもつ最大数である.
この結果はハドヴィガー予想を解く努力の中で証明された.それは立方体が1,8,20,38,49,51,54個の小立方体に分割できることから証明される.
1^3=1^3
2^3=8・1^3
3^3=2^3+19・1^3
4^3=3^3+37・1^3
6^3=4・3^3+9・2^3+36・1^3
6^3=5・3^3+5・2^3+41・1^3
8^3=6・4^3+2・3^3+4・2^3+42・1^3
集合{1,8,20,38,49,51,54}に対して,m+n−1をいう操作を繰り返し使えば,47より大きいどんな数でも作ることができるのである.
===================================