■ポール・エルデス・離散数学の魅力(その26)
[1]奇数からなる集合 {1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,・・・}の密度は
1/2
になる.
[2]2のベキ乗からなる集合 {2,4,8,16,32,64,128,256,・・・}の密度は.
n/2^n
なので,極限をとると0になる.
[3] 素数からなる集合 {2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,・・・}の密度はおよそ
1/lоgx
なので,数が大きくなればなるほど希薄になリ,素数の集合の密度は0になる.
しかし、逆数和は
1/2+1/4+1/8+1/16+1/32+1/64+・・・→1
に対して,
1/2+1/3+1/5+1/7+1/11+1/13+・・・→∞
となり,素数からなる集合 は2のベキ乗からなる集合ほどまばらに分布していないことが理解される.
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セメレディの定理(1975年)によると,ある集合の密度が0でなければどのような長さの等差数列もその集合の中に含まれる,すなわち,この定理は集合の元があまり分散されていなければ,どのような長さの等差数列をも含むことを意味している.
正確にいうと密度が0の集合に対しては等差数列を含むかどうかについては何も主張していないのである.
グリーン・タオの定理(2008年)はセメレディの定理を素数の集合を含む十分広い範疇の集合に適用できるように精密化されたものになっているのである
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