■ポール・エルデス・離散数学の魅力(その24)

 整数の集合を2×3=6行に並べてみる.

1 7 13 19 25 31 37 43 49 55 61 67 73 79 85 91 97

2 8 14 20 26 32 28 44 50 56 62 68 74 80 86 92 98

3 9 15 21 27 33 39 45 51 57 63 69 75 81 87 93 99

4 10 16 22 28 24 40 46 52 58 64 70 76 82 88 94

5 11 17 23 29 35 41 47 53 59 65 71 77 83 89 95

6 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72 78 84 90 96

 すると,4行目と6行目には素数がないことがわかる.2行目と3行目では最初の項を除けば素数がないことがわかるだろう.

 2と3以外の素数はすべて1行目と5行目にまとまっているのであるが,とくに5行目には   5,11,17,23,29 という素数の等差数列が見られる。

 2×3=6行に引き続き、整数の集合を

 2×3×5=30行

 2×3×5×7=210行

に並べてみても、同様の現象が観察される.

 たとえば,30行に並べた場合,

  359,389,419,449,479,509

210行に並べた場合,、

  199,409,619,829,1039,1249,1459,1669,1879,2089

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 セメレディの定理(1975年)によると,ある集合の密度が0でなければどのような長さの等差数列もその集合の中に含まれる.いまなお,26個以上の素数の等差数列は知られていないが,グリーン・タオの定理(2008年)は100個,1000個,1万個の等差数列も存在することを示している.(それが具体的にどのようなものであるのか決定することはできないのであるが…)

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