■ポール・エルデス・離散数学の魅力(その12)
ハミルトン閉路とは,任意の頂点から出発して,他のすべての頂点を1回だけ通って,元の頂点に戻れるグラフである.
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【1】ペテルセン・グラフ
ペテルセン・グラフは
[1]ハミルトン閉路でない
[2]どの頂点を取り除いてもハミルトン閉路となる
[3]10個の頂点をもっている.
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【2】タット・グラフ
テイトは
[1]すべて次数3の頂点
[2]どの2つの頂点を取り除いても連結のまま
であるグラフは「ハミルトン閉路」であると予想したが,タット・グラフはその反例である.
すなわち,
[1]46個の頂点をもっていて,そのどれもが次数3
[2]どの2つの頂点を取り除いても連結のまま.
[3]ハミルトン閉路でない.
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【3】騎士の巡回
[Q]8×8のチェス盤のマスすべてをナイト(騎士)で巡ることができるか?
この問題はnクイーン問題と並んで最もよく調べられている問題である.ハミルトン閉路を見つける問題の特殊な場合に相当する.
8×8のチェス盤には10^13通り以上の解があるが,意外にもひとつの解を見つけるのも簡単ではない.うまくいくとは限らないヒューリステッィク(経験則的)なアルゴリズムが知られているだけであるという.
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