■平面グラフの頂点彩色(その1)

平面グラフの隣接するどの2頂点も異なる色で彩色することを考えます。

平面グラフでは4色定理「任意の平面グラフは4色以下で彩色可能である」ことが証明されているのですが、ここでは、オイラーの公式の応用として、「6色以下で彩色可能」であることを示します。

===================================

V=Σvi,E=Σei,F=Σfiとおきます。各頂点の次数を考えるとΣd(vi)=2E,Σd(fi)=2E・・・握手定理

オイラーの定理V-E+F=2の両辺を-6倍します。

-12=-6V+6E-6F

=(-6V+Σd(vi))+2(2Σd(fi)-6F)

=Σ(d(vi)-6)+Σ(2d(fi)-6)

2角形はあり得ないので、すべての面で2d(fi)-6>=0

したがって、ある頂点でd(vi)-6<0

すなわち、任意の平面グラフには次数が5以下の頂点が存在することになります

任意の平面グラフは6色以下で彩色可能であると仮定します(帰納法)。

6頂点以下の場合は自明

任意の平面グラフには次数が5以下の頂点が存在するので、この頂点vを取り除いた平面グラフに対しても6色以下で彩色可能です

隣接する頂点は5個以下であるため、その頂点たちに使われていない色でvを彩色できるというわけです。

===================================