■掛谷予想(その4)
フラクタルが登場するまで,図形の次元は1か2か3に限られていた.幾何学では分数次元を想像することも可能であるが,中でも有名なのは「コッホ雪片」である.コッホ雪片ではまず1辺の長さ1の正三角形を描く.それぞれの辺を3等分し,真ん中の部分を取り除く.そこに同じ長さの辺でできたV字型を置く.この操作を何回も繰り返すと,雪の結晶のような形になる.
周長は1回の操作ごとに1/3ずつ増えるので,n回後の長さは(4/3)^n→∞である.また,無限に繰り返した結果できるフラクタル図形の面積は
S=√3/4+√3/4・(1/3)^2・3+√3/4・(1/9)^2・3・4+√3/4・(1/27)^2・3・4・4+・・・=√3/4+√3/12/(1−4/9)=√3/4+3√3/20=2√3/5である.つまり,無限の周囲が有限の面積を囲んでいることになる.
ほかの例も挙げてみたい
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【1】ゴスパー曲線
コッホ雪片に似たゴスパー曲線は,1回の操作ごとに全体の長さは3/√7倍になるので,n回後の長さは(3/√7)^nである.この曲線は1次元の線ではない.また,同時に2次元でもない.そこで,このような曲線はフラクタル次元をもつといわれ,その次元は
log3/log√7=log9/log7=1.12915
で,線の次元よりは上だが,面の次元よりは下になる.
方眼紙を1枚もってきてこの図形にかぶせ,この図形を覆っているマス目の個数を数える.つぎにマス目の大きさを半分にした方眼紙で同じことを繰り返す.もとの図形が線であればマス目の数は2=2^1倍に,面であればマス目の数は4=2^2倍に増える.
コッホ曲線では,マス目の大きさを1/√7にした方眼紙で同じことを繰り返すと画素数は3倍になるから,
(1/√7)^d=3→d=log9/log7=1.12915
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【2】ドラゴン曲線
ドラゴン曲線は,1回の操作ごとに全体の長さは2倍になるので,n回後の長さは2^nである.
ドラゴン曲線では,マス目の大きさを1/2にした方眼紙で同じことを繰り返すと画素数は4倍になるから,
2^d=4→d=2
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