■ピックの公式とエルハート多項式(その5)
ピックの公式(1899年)とは,任意の格子多角形の面積が以下の式で表されるというものである.
A=I+B/2−1
A:格子多角形の面積
I:内部の点の個数
B:境界線上の点の個数
整数点を数えれば面積がだいたいわかるというのが離散体積の問題である.ピックの公式は誰でも理解できる.小学生でも理解できるが,ピックが発見するまで誰も気がつかなかった・・・.
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【1】スコットの定理(公式にある定数1)
格子点を端点とし,途中に格子点をもたない線分を基本線分と呼ぶ.Eを基本線分の数,Fを格子多角形から境界を取り除いたときに分かれる部分数とすると,
A=I+E/2−F
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【2】エルハルト多項式
スコットの定理はピックの定理の一般化であるが,例えば、以下に掲げる格子多面体の離散体積など,1950年代のエルハルトの研究はピックの公式の高次元への一般化といえる.
単位立方体のn拡大では
Ln=(n+1)^3=n^3+3n^2+3n+1
n=−1では
L-1=−n^3+3n^2−3n+1=−(n−1)^3
となり,これは内部の格子点の個数は(n−1)^3であることを主張するものである.
一般に,凸格子多面体Pは,L個の格子点,I個の内部格子点,B=L−I個の境界格子点をもち,体積Vとする.このとき,Pのn拡大体の格子点の個数は
Ln=Vn^3+((L−1)/2−1)n^2+((L+1)/2−V)n+1
となる.
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