■五芒星と掛谷の問題(その249)
【4】単連結図形の場合
正三角形からデルトイドでは凸性が犠牲になり,デルトイドからベシコビッチ集合に移ると単連結性が犠牲になるので,問題は完全に解けたわけではありません.その後,カニンガムによって,与えられた最小の単連結掛谷集合の面積の下限は再び0であることが証明されました.したがって,
凸掛谷集合の面積の下限:√3/3
星形掛谷集合の面積の下限:
π/108≦K2≦(5−2√2)π/24<π/11
単連結掛谷集合の面積の下限:K1=0
とまとめられます.
単連結図形による掛谷の針の問題にはまだ未解決な部分が残されているのです(実解析学における未解決問題).また,ベシコビッチ集合は簡単に高次元空間に拡張できますが,掛谷の問題の一般化はきわめて難しい問題を引き起こすため,まだ解かれていません.
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