■円盤の問題(その15)

 コペルニクスの定理に関連して,もう1題.

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【1】円の直径が作る直線族の包絡線

(Q)固定された円の内部に直径が1/2のもう一つの円が入っているとする.小さい円が大きい円に内接し滑ることなく大きい円に沿って回転すると,動円の直径によって覆われる点集合はどのようなものか?

(A)コペルニクスの定理により,動円の直径の両端は互いに直交する2直線に端点を載せながら動きます.直径の中点は半径が動円の半径の半分の円,中点以外の点は楕円を描きます.そして,この集合の境界をなす曲線はアステロイドになります.

 アステロイドは固定された円の内部に直径が1/4のもう一つの円が入っていて,小さい円が大きい円に内接し滑ることなく大きい円に沿って回転するときの動円上の定点の軌跡です.

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【2】2円定理

 前節で述べたことをさらに一般化した定理を紹介します.

「ある曲線に沿って,滑ることなく転がる半径rの円周上の点Pの軌跡は,同じ曲線に沿って一緒に半径2rの円を転がしたとき,この円に固定された直径が作る直線族の包絡線になる.」

 直線上を転がる円周上の点の軌跡はサイクロイドとして知られています.直線も半径が無限大の円と考えることができますから,このとき転円の直径が作る直線族の包絡線は大きさが半分のサイクロイドになることが2円定理より証明されます.

 同様に,半径rの固定円のまわりを転がる半径rの円周上の点Pの軌跡はカージオイドになりますが,一緒に半径2rの円を転がしたとき,この円に固定された直径が作る直線族の包絡線もカージオイドになります.

 さらに,

(1)円周上の光源からからでた光線が反射されてできる直線族の包絡線はカージオイドになる

(2)平行光線が円周で反射されてできる直線族の包絡線はネフロイドになる

ことも証明されます.

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