25は平方数で27は立方数である.言い換えれば,26から1をひくと25(平方数)であり,26に1を加えると27(立方数)である.このように平方数と立方数に挟まれる数は他にはないというのが,
y^3=x^2+2
の正整数による唯一の解は(x,y)=(5,3)であるというフェルマーの主張であった.
これを仮想的な整数を導入して,以下のような証明を与えたのはオイラーである.
(証)x^2+2=(x+i√2)(x-i√2)
(x+i√2)=(a+bi√2)^3
=a^3+3a^2bi√2-6ab^2-2b^3i√2
=(a^3-6ab^2)+(3a^2b-2b^3)i√2
=a(a^2-6b^2)+b(3a^2-2b^2)i√2
(x+i√2)→a(a^2-6b^2)=x,b(3a^2-2b^2)=1
b=±1とすると,(3a^2-2)=±1→b=1のときa=±1
(1,1)→a(a^2-6b^2)=-5=x (NG)
(-1,1)→-a(a^2-6b^2)=5=x (OK)
さらにy=3.よって,フェルマーの主張が示された.
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整数解を求めるもうひとつの有名な不定方程式(ペル方程式)は
x^2-2y^2=1
である(オイラーが間違ってつけたこの方程式の名前はそのまま定着してしまった).
x,yが十分大きな整数のとき,
x/y→√2
すなわち,√2の近似有理数となる.また,(x,y)=(3,2)は正整数による唯一の解ではないが,最小の正整数による解である.
3^2-2・2^2=1
(3+2√2)(3-2√2)=1
(3+2√2)^n(3-2√2)^n=1
より,
xn+yn√2=(3+2√2)^n
を満たす正整数(xn,yn)が定まる.たとえば,(x2,y2)=(17,12)
すると帰納法的に
xn+1+yn+1√2=(3+2√2)^n+1=(3+2√2)^n(3+2√2)
=(xn+yn√2)(3+2√2)
=(3xn+4yn)+(2xn+3yn)√2
xn+1=3xn+4yn
yn+1=2xn+3yn
(xn+1)^2-2(yn+1)^2=(3xn+4yn)^2-2(2xn+3yn)^2
=(xn)^2-2(yn)^2=1
となって,(xn+1,yn+1)の解であることがわかる.
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x^2-3y^2=1
の場合も同様で,x/y→√3,また,(x,y)=(2,1)
2^2-3・1^2=1
(2+√3)(2-√3)=1
(2+√3)^n(2-√3)^n=1
より,
xn+yn√3=(2+√3)^n
を満たす正整数(xn,yn)が定まる.たとえば,(x2,y2)=(7,4)
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