■中国剰余定理と惑星の合(その19)
回転円が固定円に接して滑ることなく転がっていくとき,回転円の周上の点の軌跡を考えます.回転円が固定円に外接するとき,その軌跡をエピサイクロイド,内接するとき,ハイポサイクロイドと呼びます.アステロイド:
x^2/3 +y^2/3 =a^2/3
は固定円の半径が回転円の半径の4倍になっているハイポサイクロイドです.
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ギリシア時代の天文学では,惑星は地球の周りを等速円運動すると考えられていました.神の創造した世界は完全な調和の世界であり,完全なる図形である円こそが神の世界にふさわしいとされたのです.
したがって,当時の常識としては,「幾何学における神聖な作図とは定規とコンパスという基本的な2つの道具だけしか使わないものであって,直線と円の世界から外れるものは不純である.
したがって,神秘的であるべきすべての天体の運動は円とその組み合わせによって支配される(周転円説)」という思想があり,惑星は地球の位置とは少しずれた中心の円の上を運動する(離心円)とか,その円軌道上を小さく円を描きながら動く(周転円)とか工夫して惑星の運動を説明しようとしましたため,非常に複雑なものとなってしまいました.
天動説を否定して地動説を唱えたコペルニクスでさえも,太陽を中心に離心円と周転円を組み合わせることで惑星運動の原理を説明しています.
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連続かつ閉軌道はすべて従円と周転円を使って記述することができます.それは波を正弦曲線に分解できるのと同様に,複素平面上の経路は円運動の組み合わせとしては分解できることから理解できます.すなわち,複素数とフーリエ級数はその数学的理由になっているというわけです.
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