■中国剰余定理と惑星の合(その18)

 地表すれすれを飛ぶ人工衛星は秒速約8km/sで,地球のまわりを回る.地球1周に要する時間は

  T=2πR/√gR=5040s=1h24m

である.

===================================

【1】静止衛星

 静止衛星とはいつも同じ所に留まってみえる,地球の回りをT=24hで1周する人工衛星である.したがって,静止衛星の高度は自動的に決まってしまう.

 静止衛星までの距離を地球の中心から測ってrとすると,

  v=2πr/T

作用する重力加速度は地表における重力加速度gの(R/r)^2倍であるから,

  s=g/2・(R/r)^2,v^2=2rs

  (r/R)^3=T^2g/4π^2R=291

  r/R=6.63

 これは上空35800kmを周回するが,月までの距離は38万kmであるから,その1/10の高度である.赤道上にいる静止衛星は北緯81.5°から南緯81.5°までの間,全球面の43%とらえることができる.また,速度は

  v=2πr/T=3.1km/s

である.

===================================