■シャボン玉の科学(その51)
針金を曲げて作った四面体枠を石けん水に浸して,ゆっくち持ち上げると,少し膨らんだ四面体と枠との間に張られる6面ができる.膨らんだ四面体が点に退化すると,マラルディ角として有名な
arccos(−1/3)=109°
の交線ができる.
すなわち,
[1]3面の膜は1本の交線で会合し,その二面角は120°となる.
[2]6面の膜は1点で会合し,その4本の交線のなす角度は約109°となる.
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正四面体の1辺の長さを1,真ん中の正四面体(?)の1辺の長さをxとおく.
正四面体の高さHは,H^2=2/3
二等辺三角形の高さhは,h^2=1/8
であるから,正三角形4枚,等脚台形6枚の総面積は
S=√3x^2+3(x+1)(h−hx)
=√3x^2+3h(x+1)(1−x)
=(√3−3h)x^2+3h
S’=2(√3−3h)x=0,x=0
したがって,1点に退化したほうが,総面積は小さいことになる.
x=0のとき,S=3h=3√3/4<(四面体表面積√3)
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