■シャボン玉の科学(その10)

【5】サッチャー

 

 英国の首相だったマーガレット・サッチャーが機能性薄膜の研究者であったことはあまり知られていないと思われますが,結婚前の26歳のとき「単分子膜層状態におけるαモノステアリンの鹸化反応」なる研究報告を提出しています(1951年).

 

 その後,化学から政治に転じ,首相として行政にも携わりました.私は政治上の批評をする立場にはないのですが,化学者として,あるいは,政治家として2つの理想を達しようとする人は少ないでしょうし,達しうる人はなお少ないと思いますので,素直に彼女のことを賞賛したいと思います.

 

 鉄の女と呼ばれ,並みいる野党の論客を論破したサッチャーさんがどんな顔をして単分子膜の積層実験をしていたのかを想像すると,思わず顔面の筋肉がゆるんでしまうのは私ばかりではないでしょう.

 

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