■虹とダイヤモンド(その8)

ダイヤモンドの屈折率2.4は,水(1.3〜4/3)やガラス(1.5〜3/2)に比べて非常に高いので,大きな角度で屈折する.ダイヤモンドの表面に対して24°以上の角度で入射した光線は完全に反射されることになる.(水の場合は48°,ガラスの場合の42°である)

 また,ダイヤモンドのなかを光が通ると,屈折率の違いからさまざまな色の光輝が生まれる.もし雨粒が水滴でなくダイヤモンドでできていたとしたら,虹はまったく変わったものになるという.

 トルコフスキーによって開発されたダイヤモンドのカット(ブリリアント・カット,側方からみて概五角形)は,見る人の目の方向に反射する光が明るく,すなわち,ダイヤモンドの平らな面に垂直にあった光線が内面で1−2回反射したのち,完全に反射するように,かつ,色とりどりに輝く多面体になるように工夫されているのである.

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