■虹とダイヤモンド(その4)

 たとえば,カメラのレンズを設計することを考えてみよう.カメラは単レンズではなく複合レンズになっているので,収差を求めるためには,何枚ものレンズの中を屈折しながら進んでいく1000〜2000本もの光線を5〜6桁の精度で追跡して計算をしなくてはならない.非球面レンズの場合は曲面の高精度計算が必要となることもあろう.カメラレンズの設計には複雑な計算が大量に必要になり,コンピュータでなければこのような計算は到底困難であろうと思われる.

 

 ダイヤモンドではどうだろうか? ダイヤモンドの4C(カラット,カラー,クラリティー,カット)というのを聞いたことがあるが,カットの仕方によってカラーとクラリティーが違ってくるはずである.光の屈折と反射の具合は,含有されている夾雑金属元素にもよるのであろうが,多面体の形によっても決定されるのである.

 

 ピンクでもブルーでも思い通りのカラーを出せるカットはないのだろうか?

 

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