■φ形式の算法(その49)
台形(2次元角錐台)の面積は
S=(a+b)h/2
で与えられる.この面積を二等分する横断線を求めてみよう.
下辺a,上辺b,下辺からの高さをxとすると,x=0のときd=a,x=hのときd=bより,横断線の長さは
d=−(a−b)x/h+a
となる.
S/2=(a+d)x/2=(d+b)(h−x)/2
(a+d)x=(d+b)(h−x)
(a+b+2d)x=(d+b)h
x=(a−d)h/(a−b)を代入すると,
(a+b+2d)(a−d)=(d+b)(a−b)
2d^2=a(a+b)−b(a−b)=a^2+b^2
d={(a^2+b^2)/2}^1/2
高さhには関係しないことになる.
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[Q]下辺a,上辺bの等脚台形の対角線の交点を通り下辺に平行な線の長さは?
[A]2ab/(a+b)=2/(1/a+1/b))
ユークリッド平均{(a^2+b^2)/2}^1/2に対して,2ab/(a+b)は調和平均と呼ばれる.
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[Q]h’=h/2を通り下辺に平行な線の長さは,算術平均(a+b)/2である.それでは幾何平均√(ab)を表す線は?
[A]調和平均≦幾何平均≦算術平均≦ユークリッド平均であるから,等脚台形の対角線の交点の下辺側,高さの二等分線の上辺側になることはすぐわかるが,・・・.
[Q]与えられた等脚台形(a,b,h)に対して,調和平均≦幾何平均≦算術平均≦ユークリッド平均となる,下辺に平行な線を作図せよ.
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