■φ形式の算法(その42)

 相加平均:(a+b)/2,相乗平均:√(ab)に対して,2ab/(a+b)は調和平均と呼ばれる.相加平均,相乗平均に較べ,調和平均はマイナーな存在である.

 ところで,6点(±1,0,0),(0,±1,0),(0,0,±1)を頂点とする正八面体を考える.正八面体には辺が12本あるが,12本の辺を1:τ=(√5−1)/2に内分する点をとると,正20面体の12頂点が得られる.

 このとき,正20面体の1辺の長さdを求める.余弦定理より

  d^2=2(τ/(1+τ))^2+2(1/(1+τ))^2−2τ/(1+τ)^2=2(τ^2−τ+1)/(1+τ)^2=(2τ)^2/(1+τ)^2

  d=2τ/(1+τ)=3−√5

となるが,

  2τ/(1+τ)は1とτの調和平均である.

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