■差分体と角錐台の体積(その3)

 (その2)で差分体の体積を計算したが,差分体とは

  K~=1/2(K+(−K))

のことである.

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【1】凸体の点対称化

 凸体Kを原点の周りで180°回転させて得られる図形を−Kあるいはrot(K)で表す.Kに対して点対称化図形K~を

  K~=1/2(K+(−K))

で定義する.

 すなわち,図形−Kの原点を図形Kの境界に沿って動かすときのミンコフスキー和であるが,−KからKへの連続変形のt=1/2の場合であり,図形Kが四角形のときK~は八角形,Kが四面体のときK~は立方八面体状図形になる.

 このとき,

  |K|≦|K~|

が成り立つ(等号成立は−KがKの平行移動であるとき).

 また,Kが2次元図形であれば周長と直径は不変である.

  L(K)=L(K~),D(K)=D(K~)

3次元図形であれば直径は不変である.

  D(K)=D(K~)  (表面積は不変ではない)

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