■空間充填n面体
【1】Foepplの16面体(1914年)
正四面体は単独では空間充填できない.また,正四面体の辺の3等分点で切頂すると切頂四面体となるが,切り取った小正四面体を各面と底面として中心から四等分するとマラルディの角が現れる.この三角錐片の二面角が120°である.そして,その三角錐片を切頂四面体の切頂面に載せた形は単独で空間充填し得るようになる.
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【2】Loeckenhoff and Hellnerの18面体(1971年)
Foepplの16面体はダイヤモンド格子を下にして設計されたものであるが,この18面体も同様であるらしい.
私は周期的4軸構造に対応するのが空間充填18面体であることを直接的に示したが,数学者が行った方法は3次元平行多面体の分割によって,4次元平行多面体の分類を行ったり,面数の多い3次元空間充填多面体を探索するもので,私が想像していた着想とは違っているようだ.
私は数学者とはまったく異なる方法で設計することができたのだが,下の方では繋がっているのだろうし,いろいろな考え方があるものだといまさらながら感心している.
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【3】Engelの38面体(1980年)
周期的4軸構造に対応するのが空間充填18面体であるが,f=18,n=4とすると
f=6(n−1)
の関係が成り立つ.一般のn軸構造にもこの式が適用できるかどうかはわからないが,n軸構造が解明できればf≧39なる空間充填多面体が発見できるかもしれない.
現・千葉工業大学の手嶋吉法先生から窺った話では,1つの軸が残りのn−1本の軸となす角が等しいという意味で対称性をもつのは最大6方向までで,n=1,2,3,4,6に限られるのだそうである.したがって,7軸以上に対しては対称的な空間充填多面体にはならないと考えられる.
私は当初からエンゲルの空間充填38面体は非対称に違いないと想像していたのだが,思った通り対称性の低い多面体で,しかもかなり細長い面が多くある.頂点数は70である.著作権の関係で図は掲載できないが,興味のある方は自分でダウンロードしてみてほしい.図10がエンゲルの38面体に該当する.
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