■平均(その19)

【2】n=3,・・・,2^m−1,・・・の場合

  a^4+b^4+c^4+d^4≧4abcd

の右辺において,d=(abc)^(1/3)とおくと

  a^4+b^4+c^4+(abc)^(4/3)≧4(abc)^(4/3)

  a^4+b^4+c^4≧3(abc)^(4/3)

 あるいは,左辺においてd^4=(a^4+b^4+c^4)/3とおくと

  (a^4+b^4+c^4)×4/3≧4abc{(a^4+b^4+c^4)/3}^(1/4)

  a^4+b^4+c^4≧3(abc)^(4/3)

 a→a^(3/4),b→b^(3/4),c→c^(3/4)と置き換えて

  a^3+b^3+c^3≧3abc

 同様に,n=2^m→2^m−1→2^m−2→・・・であるから,【1】【2】を併せれば,すべてのnについて算術平均・幾何平均不等式

  算術平均≧幾何平均

が証明されたことになる.

 また,調和平均は逆数の算術平均の逆数であるから,算術平均・幾何平均不等式においてa→1/a,b→1/b,c→1/c,・・・と置き換えれば

  幾何平均≧調和平均

の不等式を間接的に導くことができる.すなわち

  算術平均≧幾何平均≧調和平均

が成立する.

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