■平均(その12)

【4】モノミアル対称多項式(基本対称式の一般化)

 分割λに対応する単項対称多項式(モノミアル対称多項式)を

  mλ(x)=Σx1^α1x2^α2・・・xn^αn

により定義する.ただし,この和はλ=(λ1,λ2,・・・,λn)の入れ替えで生じる単項式すべてを動くものとする.すなわち,単項対称多項式は単項式x1^α1・・・xn^αnの線形結合をとって得られる対称化多項式である.

 |λ|=3,n=3とすれば

  m(3)(x)=x1^3+x2^3+x3^3

  m(21)(x)=x1^2x2+x1^2x3+x2^2x1+x2^2x3+x3^2x1+x3^2x2

  m(1^3)(x)=x1x2x3

 また,ベキ和対称関数をr次のベキ和

  pr=Σx^r=m(r)(x)

と分割λ=(λ1,λ2,・・・)に対して

  pλ=pλ1pλ2・・・=Πpλi

と定義すると,n=3の場合,

  p(3)(x)=x1^3+x2^3+x3^3

  p(21)(x)=(x1^2+x2^2+x3^2)(x1+x2+x3)

  p(1^3)(x)=(x1+x2+x3)^3

のようになる.

 さらに,ヤング図形の縦1列に対応する場合がr次の基本対称式

  er(x)=σr=m(1^r)

ヤング図形の横1列に対応する場合がr次の完全(同次)対称多項式

  hr(x)=Σmλ(x)   |λ|=r

であるが,eλ(x),hλ(x)についてもベキ和対称多項式の場合と同様に定義する.

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