■立方体と正単体
辺の長さが2の正方形に,その頂点を中心とする4つの単位円板を置くと,4つの円板で囲まれた部分に,第5の小さな円を入れることができます.ピタゴラスの定理によって第5の円の半径は√2−1だとわかります.これと同じことを3次元空間で行ってみましょう.辺の長さが2の立方体の8つのカドに単位球を8個置くと,中にできる隙間に第9の小さな球を入れることができ,第9の球の半径は√3−1となります.n次元では半径√n−1のn次元超球が詰められるのです.それでは・・・
【問】辺の長さが2の正三角形に,その頂点を中心とする3つの単位円板を置くと,中にできる隙間には半径2√2/3−1の円を入れることができる.さて,辺の長さが2の正四面体に単位球を4個置くと,その隙間に入れることのできる球の半径は?
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次元を一つ上げて、辺の長さが√2の正四面体
(1,0,0,0)
(0,1,0,0)
(0,0,1,0)
(0,0,0,1)
を考える.
重心(1/4,1/4,1/4,1/4)から頂点までの距離^2は
(3/4)^2+3(1/4)^2=3/4
辺の長さ2の正四面体の重心から頂点までの距離は√6/2
したがって、
(答)半径√6/2−1の球を入れることができる.
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【問】n次元単体では半径
√{2/(1+1/n)}−1
のn次元超球が詰められることを示せ.
同様に
重心(1/(n+1),・・・,1/(n+1))から頂点までの距離^2は
(n/(n+1))^2+n(1/(n+1))^2=n(n+1)/(n+1)^2=n/(n+1)
辺の長さ2の正単体の重心から頂点までの距離は{2n/(n+1)}^1/2
したがって、
√{2/(1+1/n)}−1の球を入れることができる.
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n→∞の極限でr=√2−1になります
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