■平方和分割とテータ関数(その35)
【3】八平方和問題
これらの出発点となった考え方は,
{Σq^(n^2)}^4=ΣR(n)q^n
=1+8nq^n/(1-q^n)
の2つの表現のq^nの係数を比較することであって,Σq^(n^2)はテータ関数です.R(n)を求めるのにヤコビはテータ関数を用いたのですが,それ以来,モジュラー形式などの解析的理論が数論へ応用されるようになり,ヤコビは2,4,6,8個の平方の和に分解する仕方の数,エルミートは3,5個の平方の和に分解する仕方の数を得ています.
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8個の平方の和に分解する仕方の数をr8(n),σ3(n)をnの約数の3乗和とすると,nが偶数のとき,
s3(n)=σ3(n)
nが奇数のとき,
s3(n)=σ3e(n)−σ3o(n)
=nの偶数の約数の3乗和−nの奇数の約数の3乗和
と書くことにすると,
r8(n)=16s3(n)
が成り立つ.
(証)θ(τ)=Σq^(n^2)
より
θ(τ)^8=Σr8(n)q^n,q=exp(πiτ)
ここで,アイゼンシュタイン級数の類似物
E4(τ)=Σ1/(n+mτ)^4
ここで和は反対の偶奇性をもつ整数n,m全体にわたってとるものとすると,
θ(τ)^8=48π^-4E4(τ)=1+16Σs3(k)q^k
を示すことができる.
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[補]母関数
nの約数の個数をd(n),nの約数のm乗和をσm(n)で表す.それぞれの母関数は
Σd(n)z^n=Σz^n/(1−z^n)
Σσm(n)z^n=Σn^mz^n/(1−z^n)
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