■すべての円の周の長さは等しい

 大きな円と小さな円を中心を重ねて固定します.同心円となるわけですが,大きな円が直線上を1回転するとき,同心の小さな円もそれと平行な直線上を

1回転します.したがって,任意の2つの円周は等しくなり,すべての円の周の長さは等しいことが証明されます(アリストテレスの輪のパラドックス).

 

 このトリックは,大きな円は滑らないで回転するが,小さな円はある程度すべるということに気付けば解決できます.2つの円を正方形のような正多角形2個で置き換えてみるとわかりやすいのですが,大正方形が1回転した後に,小正方形の軌道には隙間を生じます.すなわち,小さな正方形も円(正多角形の極限)も滑りながら進んでいるというわけです.

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