■ペリトロコイド曲線(その34)
アステロイド:f(x,y)=(x^2+y^2−4)^3+108x^2y^2=0
カージオイド:f(x,y)=(x^2+y^2−2x)^2−4(x^2+y^2)=0
ネフロイド:f(x,y)=(x^2+y^2−4)^3−108x^2=0
デルトイド:f(x,y)=(x^2+y^2+9)^2+8x(3y^2−x^2)−108=0
などの方程式は,それぞれの代数曲線の対称性を表現していると考えられます.
たとえば,カージオイドとデルトイドでは多項式にx項が含まれているため,y軸に関して対称ではありません.今回のコラムでは2変数多項式の対称性について調べてみましょう.
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【5】トロコイドへの応用
アステロイドはD4,カージオイドはD1,ネフロイドはD2,デルトイドはD3の対称性を有する代数曲線ですから,r^2=x^2+y^2,r^ncosnφの多項式になります.
r^ncosnφはそれぞれ,
x^4−6x^2y^2+y^4=(x^2+y^2)^2−10x^2y^2
x
x^2−y^2=(x^2+y^2)−2y^2=−(x^2+y^2)+2x^2
x^3−3xy^2=x(x^2−3y^2)
よりF(x^2+y^2,x^2y^2),F(x^2+y^2,x),F(x^2+y^2,x^2),F(x^2+y^2,x(x^2−3y^2))で表されることがわかります.
一般に,
x=r1cosω1t+r2cosω2t
y=r1sinω1t+r2sinω2t
は,ω2=−ω1のとき楕円を描きますが,
ω1/ω2=k,r2/r1=|k|
という比をもつとき,kサイクロイドを描くことになります.
kが無理数のときは代数的ではなく,半径がr1+r2,|r1−r2|の2つの円で囲まれた環状領域を埋めつくします.kが有理数のときは周期的となり,サイクロイドは代数曲線であることが証明されます.
(証)この曲線は半径r1の円と半径r2の円の回転運動の組み合わせになるわけですが,前者の周期は2π/ω1,後者の周期は2π/ω2となりますから,後者が1回転したとき,前者はまだω1/ω2回転しかしていません.周期的となるためには両者が同時に整数N回転しなければなりません.
このとき,サイクロイドはDNの対称性をもつことになりますが,関数r^NcosNφはx,yのN次の同次多項式となることが帰納法で簡単に証明できるので,サイクロイドが多項式(代数曲線)になることは明らかです.
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