■ペリトロコイド曲線(その32)
【2】代数曲線になる例
回転円(半径r)が固定円(半径R)に接して滑ることなく転がっていくとき,回転円の周上の点の軌跡を考えます.回転円が固定円に外接するとき,その軌跡をエピサイクロイド,内接するとき,ハイポサイクロイドと呼びます.
R/r比が無理数ならば,回転円上の1点aが固定円上の1点bと接した後,円が永久に転がり続けたとしても,両者は再び接することはありませんが,有理数ならば有限回の回転の後再び接します.R=nr(nは自然数)の場合,ちょうど1回転後に再び接することになります.
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[1]ハイポサイクロイド
n個の尖点をもつハイポサイクロイド
x=(n−1)rcosθ+rcos(n−1)θ・・・(1)
y=(n−1)rsinθ−rsin(n−1)θ・・・(2)
において,xはcosθのn−1次式で表されます.
n=2のとき,
f(x,y)=y −2≦x≦2
すなわち,固定円の直径と一致します(コペルニクスの定理).直径は2つの尖点をもっていて,その両端は退化した2つの尖点とみなすことができます.
また,n=3,r=1とすると,デルトイドの媒介変数表示
x=2cosθ+cos2θ・・・(1)
y=2sinθ−sin2θ・・・(2)
で与えられますが,cos2θ=2cos^2θ−1ですから
x=2cos^2θ+2cosθ−1
これを解いて
cosθ={−1+(2x+3)^1/2}/2
また,(1)^2+(2)^2より
x^2+y^2=5+4cos3θ
→(x^2+y^2−5)/4=4cos^3θ−3cosθ
よりcosθを消去すると,直交座標系におけるデルトイドの方程式は
f(x,y)=(x^2+12x+9+y^2)^2−4(2x+3)^3
=(x^2+y^2)^2+18(x^2+y^2)−8x(x^2−3y^2)−27=0
と表されます.すなわち,4次曲線というわけです.
また,星形曲線アステロイドは固定円の半径が回転円の半径の4倍になっているハイポサイクロイドです.n=4,r=1とすると,アステロイドでは
x=3cosθ+cos3θ・・・(1)
y=3sinθ−sin3θ・・・(2)
ですが,3倍角の公式
cos3θ=4cos^3θ−3cosθ
sin3θ=3sinθ−4sin^3θ
を用いると
x=4cos^3θ
y=4sin^3θ
より
x^2/3+y^2/3=4^2/3
を得ることができます.
これは簡単な形ですが,整数ベキに直すために両辺を3乗
3x^2/3y^2/3(x^2/3+y^2/3)=4^2−x^2−y^2
3(4xy)^2/3=4^2−x^2−y^2
さらに3乗すると,アステロイドは6次曲線:
f(x,y)=(x^2+y^2)^3−48(x^2+y^2)^2+432x^2y^2+768(x^2+y^2)−4096=0
と表すことができることがわかります.
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