■サイクロイドと積分・変分法(その37)

 固定した直線上を円が滑らずに転がるとき,回転円の周上の固定点のなす軌跡がサイクロイドです.自転車のタイヤを転がせばタイヤの上の1点はサイクロイドを描きます.

 サイクロイドは回転角を媒介変数として回転円の半径をaとすると

  x=a(θ−sinθ),y=a(1−cosθ)

と書くことができます.

  dx/dθ=a(1−cosθ)=y,dy/dθ=asinθ

  d^2x/dθ^2=asinθ,d^2y/dθ^2=acosθ

  d^3x/dθ^3=acosθ,d^3y/dθ^3=−asinθ

より,

  dy/dx=sinθ/(1−cosθ)

  d^2y/dx^2=cotθ

  d^3y/dx^3=−tanθ

 サイクロイドという名前は1599年ガリレオによって与えられたのですが,ガリレオはサイクロイドが囲む面積が回転円の面積のちょうど3倍になることを発見することはできませんでした.

 サイクロイドは重要な性質をもっていて

 [1]最速降下線

 [2]等時曲線

などいくつかの興味深い特性があります.最速降下線の問題は典型的な変分の問題です.

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