■サイクロイドと積分・変分法(その32)
最も速い坂道の形は直線や円弧,放物線や懸垂線ではなく,サイクロイドであることはよく知られている.
ここでは
[参]矢崎成俊「実験数学読本」日本評論社
にしたがって,東京タワー(333m)から九州までの約900kmをサイクロイド・スロープ(サイクロイド曲線の半分)で繋ぎ,新幹線を通したとする.
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(y0−f)(1+f’^2)=2R
x=R(θ−sinθ)+C
y=−R(1−cosθ)+y0
x0=πR,y0=R
より,
R=1.597×10^5km
θ0=3.139〜179.8°
T=π√(R/g)〜√R→(その37)で訂正
T=211.4分
羽田から福岡までの飛行時間は約120分であるから,移動時間としてはそれほど速くない.
東京タワーをスカイツリー(634m)に変えたとしても
R=1.6×10^5km
θ0=3.139〜179.8°
T=π√(R/g)〜√R→(その37)で訂正
T=211.4分
まったく速くならない.
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