■サイクロイドと積分・変分法(その22)
 懸垂線はちょっとみると放物線ではないかと思われがちですが,放物線よりもずっときつく上昇する曲線です.したがって,2固定点と一番底の点を一致させると,懸垂線は放物線よりも少し横に張り出します.
 (その21)を補足すると,
  ∫du/(u^2+1)^1/2=αx
  g(u)=log(u+(u^2+1)^1/2)
  g’(u)=1/(u^2+1)^1/2
  u+(u^2+1)^1/2=exp(αx+β)
  f(x)=1/α・cosh(αx+β)+γ
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 次に,吊り橋の形について考えてみよう.吊り橋では橋の重さとロープの重さを比べると,ロープの方がずっと軽いのでロープの重量は無視でき,懸垂線とは別の形になる.
 つなり重力はロープの長さに比例するのではなく,橋の重さに比例するから  T(x)sinθ(x)=ρgx+β
  f’(x)=(ρgx+β)/τ
  f’(x)=(ρg/2・x^2+βx)/τ+γ
より,吊り橋のロープの形は放物線となる.
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